自律神経と免疫の研究会」

 

    症 例 報 告   

     

    ―――― 鍼灸による自律神経免疫療法の5症例

 

          <症例1> 「悪性リウマチから回復しつつある症例」

          <症例2> 「膠原病から回復した症例」

          <症例3> 「パーキンソン病から回復しつつある症例」

          <症例4> 「他の療法を選択されたパーキンソン病の症例」

          <症例5> 「ストレス過多によるパーキンソン病の症例」

 

 

 

 

  西暦2005年(平成17年)39日作成・ 313日報告

 

            六九堂はりきゅう指圧院(長野県・高遠) 

                       院 長 伊

 

 

 

 

<症例1> 「悪性リウマチから回復しつつある症例」

 

1 症例  48歳 男性 会社員

2 主訴  関節痛 (両肩関節・両膝関節・両足関節・両手のMP関節)

3 現病歴 20022月リウマチを発症。全身の関節に激しい疼痛と運動痛が出現。K整形外科にてリウマチと診断される。同年4月六九堂はりきゅう指圧院へ来院。同年6月、リウマチ専門医であるGクリニックを受診。リウマトレックスを投薬される。同年8月リウマチ性の皮下結節が両肘に出現。「つめもみ」を始める。同年9月皮下結節消退。患者さんの自主的な意志でリウマトレックスを中止。20037月水嶋クリニックを受診し、抗核抗体が見られるため、悪性リウマチと診断される。モービックカプセル10mg、パスタロン10%、強力レスタミンコーチゾンコーワ軟膏が投薬される。煎じ薬としてキャッツクローが処方される。漢方薬としてトウキ・シャクヤク・ジオウ・オウギ・ボウイ・トチュウ・ビャクジュツを朝昼夕各1gずつ。ニンジン・ブシ・キョウカツ・ゴシツ・カンゾウ・乾姜・タイソウ・センキョウを朝昼夕各0.6667gずつ。煎じ薬として処方される。(他に3種。)(2004128日分の例)

4 既往歴 22歳の時、両手関節にリウマチを発症 リウマチと診断される。アスピリンを2年間服用・5年後自然に治癒する。45歳で高血圧発症。K医院にてテノーミン25・アダラートL錠10mgを3年間投薬される。 

5 身体所見 疼痛および運動痛のある関節は、両肩関節・両股関節・両膝関節・右足関節・右肘関節・両手関節・両手MP関節・右第4指PAP関節。左肩関節の運動制限(外転60度。)

毎朝、起床直後に疼痛が噌悪する。関節の不調には左右対称性が見られる。下肢は自覚的にも他覚的にも冷感が強い。

6 検査所見  血液検査:RA抗体は陽性・抗核抗体は陽性・六部上位脈診では腎虚症。

 

検査年月日

2002312

2002年6月1日

RAテスト

  (−)

  (+−)

  

7 経過 2003年7月17日から水嶋丈雄先生のご指導で正式な自律神経免疫療法を受け始める。水嶋クリニックへ月に1回。漢方薬処方と血液検査、鍼灸治療。水嶋クリニックでのリウマチに関する鍼灸治療は、六部定位脈診、舌診から陰陽・虚実・問題のある経絡・気血水の問題を弁証するようであった。手首の熱感には陽池を瀉、合谷、陽谷に留鍼。膝の熱感には膝眼を瀉。血海に灸頭鍼。右内果痛には中封に灸頭鍼。脾経の冷えと血虚を補うのには、三陰交に灸頭鍼、太衝に留鍼。左肩の痛みには肩鎖関節に横刺で留鍼。肩髎、臑兪に灸頭鍼。経絡の補瀉は臓腑虚実補穴瀉穴表に拠っている。六九堂はりきゅう指圧院へは月3回。鍼灸治療を受ける。(自律神経免疫療法としては六九堂で2003年7月23日〜平成17年2月19日まで63回治療を実施した。)六九堂での鍼灸治療方法は、六部定位脈診で虚している脈を見つける。臓腑虚実補穴瀉穴表にしたがい、脈を整える鍼灸治療を行う。経渠と復溜へ補法寸6・1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm・置鍼10分間。緘術後再度脈診を行い、整ったことを確認して治療を終わる。整っていない場合は更に接触鍼(てい鍼)で補う。その後手足の井穴に単刺を行う(薬指を除く。)(寸3・ 02番鍼・太さ0.12mm・深さ0.5mm。)。筋を緩める目的で硬結部に単刺(寸6・ 1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm)。灸頭鍼(寸6・ 3番鍼(太さ0.20mm・ 深さ1cm10分・切りもぐさ[小] )三陰交・両膝眼・肩部(注:脈を整えるために行う置鍼は、その時々の脈によって経穴の選択が異なる。)

 血液検査の結果(白血球分画)     

採血年月日

 

2003年

2003年

2004年

2004年

2005年

7月17日

10月8日

1月28日

7月14日

12月29日

白血球数

4000

3300

4500

5700

6300

リンパ球数

880

858

990

1482

964

リンパ球%

22

26

22

26

15

単球数

280

198

90

228

170

単球 %

7

6

2

4

3

顆粒球数

2840

2244

3420

3990

5166

顆粒球%

71

68

76

70

82

抗核抗体

40

     −

40

      -

40

CRP

2.9

3.1

0.7

0.6

0.6

IgG抗体

8

7

4.2

2.6

4.8

 

  

 

患者さんが書かれた自覚症状に関する資料

 

 

 最近の状況および推移 

  (2003年7月17日〜2004年3月24日)

          5:つらい 4:やや楽 3:楽 2:かなり楽

          1:若干違和感有り 0:自覚症状なし

7

8

9

10

11

12

12

1

2

3

 

 

 

17

11

11

8

5

3

31

28

25

24

 

 

全体

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 @体の冷えが無くなり、夜も暖房器具無しで眠れる。

5

5

4

3

2

2

1

0

0

0

 

 

 

 A歩行は普通の人とほぼ同じペースで歩ける。早足はつらい。

5

5

5

4

3

3

2

2

2

1

 

 

 

 B階段の昇降時にも、足首、膝、股関節が曲げられるので、上体(肩、肘)の振り出しによってバランスを

取る必要がなくなった。

5

5

5

4

3

3

2

2

2

1

 

 

 

 C起床後即立ち上がり、歩き出せる。こわばりは無い。

5

5

5

4

3

3

2

2

2

1

 

 

部分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

@手

握力戻りつつある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右手:親指、薬指、小指に腫れあり。痛みは少ないが、握りきれない。

5

4

4

3

3

3

2

1

1

1

 

 

 

手首に熱めのシャワーをかけるとややピンク色になる。

5

5

3

3

3

3

2

1

1

0

 

 

 

左手:人差し指にやや腫れあり。痛みなし。

5

4

4

3

3

3

2

1

1

0

 

 

 

乾布摩擦を右腕に行う際、手首に若干痛みあり。

3

3

3

3

3

3

2

2

2

1

 

 

A肩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右肩:若干違和感あり。動きに問題なし。

2

2

2

2

2

2

2

0

0

0

 

 

 

■左肩:ここ一年痛み変わらず。腕、肩は上がらない。

5

5

5

5

5

5

4

4

4

3

 

 

 

→入浴後、軽い肩回し運動を行っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

B肘

右肘:痛みあり

3

3

3

3

3

3

2

1

1

1

 

 

C股関節

左右股関節:横向きに寝ると若干痛みあり。(以前から)

3

3

3

3

3

3

2

1

1

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

D膝

膝→全体的に楽になている(正座は出来ない。押さえて痛い個所あり)■右膝:堅くなった筋肉の伸縮時の衝撃による痛みは減少。

5

5

5

4

3

3

3

2

2

1

 

 

 

  左膝:痛みはあるが以前より楽に動かせる。

5

5

5

4

3

3

3

2

2

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

E足

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■右足:足首の痛みは減少。腫れている。低気圧通過時には全体が痛む。(一晩、半日で解消)

5

5

5

4

3

3

3

2

2

1

 

 

 

左足:以前は裏側全体に痛みがあったが解消している。

5

5

5

3

2

2

1

1

1

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

F

 湿疹

・左足すね・左右膝周辺・右大腿部裏側・おしり・右脇腹・右肘

3

3

3

3

3

3

3

3

3

2

 

 

G不整脈

ほとんど自覚症状が出ていない。

1

1

1

2

1

1

1

1

1

1

 

 

 

白血球数(5000〜8000)

4000

 

 

3300

 

 

 

4500

 

 

 

 

 

リンパ球数(2300〜2600)

880

 

 

858

 

 

 

990

 

 

 

 

 

(%)(35%〜41%)

22%

 

 

26%

 

 

 

22%

 

 

 

 

 

顆粒球数(3500〜3600)

2840

 

 

2244

 

 

 

3420

 

 

 

 

 

(%)(60%〜54%)

71%

 

 

68%

 

 

 

76%

 

 

 

 

 

抗核抗体(40未満)

40

 

 

 

 

 

 

40

 

 

 

 

 

CRP(0.5以下)

2.9

 

 

3.1

 

 

 

0.7

 

 

 

 

 

抗ガラクトース欠損IgG抗体(6.0未満)

8.0

 

 

7.0

 

 

 

4.2

 

 

 

 

 

【トピックス】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

@左肩の痛みが若干減る。可動域若干増す。

治療以外(@Cは治療日には行わない) 

 

 

A朝方のトイレ回数減る。4回→1回(昨年12月末より)

@爪もみ (手足)    2回/日    

 

 

B片手クロールが出来る。(左腕は使えない)

A乾布摩擦  1回/日 

 

 

 

 

 

C早足で歩ける

B熱めのシャワー 1回/日(乾布摩擦後)

 

 

 

D軽く走れる

C電子鍼(手足井穴)  1回/日(風呂後)

 

 

 

E階段を一段飛ばしで上がれる

Dプールでの運動       2回/週   

 

 

 

E体を温める(風呂、サウナ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

8 考察 白血球やリンパ球、顆粒球の比率は変わっていないがCRPIgG抗体の低下が見られ、炎症が治まり症状が改善してきていることは確認できた。その点で効果が認められる。「下肢の冷感」に対しては、寝室の冷気遮断や「ズボン下」着用、冷たい飲食物の排除などのご協力をいただいたことも良かったと思われる。ご本人の意欲が強く、つめもみも熱心にされていたこと、プールでの適度な運動なども効果的であった。

つめもみ+西洋医学的投薬+漢方薬+煎じ薬+鍼灸という治療であったので、西洋医学+東洋医学で結果として全体で効果があったことは認められる。しかしながら、そのどの治療が有効であったのかこの症例では証明できないところが今後の課題と思われる。西洋医学的手法ではこれらの効果を一つ一つ分けて証明していく必要があると考えられる。一方、東洋医学的には全体で効果が出ていればそれで良いのかもしれない。その時々の体調に合わせて最適の治療が選択できれば良いので、試みられる治療の選択肢は多ければ多いほど良いと考える。今回の鍼灸については「六部定位脈診で虚している脈を見つけ、臓腑虚実補穴瀉穴表にしたがい、脈を整える鍼灸治療を行う。」という方法を用いたわけであるが、脈の変化をその場で確認できるので効果を確認しながら治療を進めるには有効な方法であると考える。

9 結語 血液検査の結果でリンパ球と顆粒球の割合に、あまり変化がなくても、患者さんが書かれた表の通り、患者さんが自覚的に楽になることは可能である。また、IgG抗体やCRPの値が低下している点から、自律神経免疫療法に基づく治療体系全体としての効果は認められる。ご本人の生活習慣改善への努力も効果があったと考えられる。現在も治療は上記の鍼灸治療を継続している。

 

参考文献 『鍼灸医術の門』柳谷素霊 原著・柳谷清逸 校捕  P.65P.130

 

 

<症例2>「膠原病から回復した症例」

 

症例: 35歳 女性 主婦(育児)

1 主訴 下肢冷感・ドライアイ 

2 疾患名 膠原病(混合性結合組織症)

3 現病歴 2001年に妊娠検診の血液検査で膠原病と診断され治療を始めた。自覚症状はほとんどなかった。レイノー症状を発現。N病院を経てS病院では漢方薬が投与され始め、効果が出た。2003年冬、血小板が極端に減少。その後C病院ではステロイド剤が処方された。2004年4月21日より水嶋クリニックから漢方薬が処方され始めた。オウギを朝昼夕各2.6667g。ビャクジュツ・ブクリョウ・シャクヤク・タイソウ・ウヤクを朝昼夕各1.3333gトウキ・ブシを朝昼夕各1g。・ニンジン・カンゾウ・センキュウ・マオウを朝昼夕各0.6667g。これらは煎じ薬として処方された。(2004年4月21日の例)

4 既往歴 冷え性。下肢に冷感を感じた。

5 身体所見 下腿から足先まで、触れると氷のように冷たかった。表情が硬かった。   

6 検査所見 2004年7月12日の血液検査では、IgG抗体が1338・抗核抗体(ANA)が640・C3が85・C4が20・顆粒球74%・単球3%・リンパ球23%だった。脈診では胃・脾・膀胱・腎の各経が弱かった。(2004年5月28日) 

7 経過 2004年5月28日から水嶋先生のご紹介で当院での鍼灸治療を開始する。

C病院で月1回血液検査。水嶋クリニックへは2ヶ月に1回。漢方薬処方と鍼灸治療。場合により血液検査も受ける。当院へ月3回来院。鍼灸治療を受ける。症状が改善してからは2週に1回位の通院。自律神経免疫療法としては当院で平成16年5月28日〜平成17年2月5日まで27回治療を実施した。鍼灸治療方法は、六部定位脈診で虚している脈を見つけ、臓腑虚実補穴瀉穴表にしたがい、脈を整える方法を行う。経渠と復溜へ補法寸6・1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm・置鍼10分間。緘術後再度脈診を行い、整ったことを確認して治療を終わる。整っていない場合は更に接触鍼(てい鍼)で補う。その後手足の井穴に単刺を行う(薬指を除く。)(寸3・ 02番鍼・太さ0.12mm・深さ0.5mm。)。 灸頭鍼(寸6・ 3番鍼(太さ0.20mm・ 深さ1cm10分・切りもぐさ小] )三陰交・腎兪(注:脈を整えるために行う置鍼は、その時々の脈によって経穴の選択が異なる。)その後、白血球数が大きく変化している。血小板数は良い数値を保っている。

 

血液検査の結果   

2004年

2月12日

3月11日

4月8日

5月6日

6月3日

7月1日

白血球数

7650

4590

7170

3920

5870

4960

血小板数

180

135

149

133

124

140

血沈2h

97

46

59

27

23

26

 

7月12日

7月26日

8月26日

10月28日

11月25日

12月22日

1月20日

3300

4090

3710

3760

3510

3160

2850

127

128

128

135

124

146

126

    −

28

25

31

25

36

21

 

 

 

8 考察  白血球が大きく減少し、炎症がおさまったことを表現しているのではないかと考える。血沈2hも変化し、一定の値を保っているので、治療は有効であったと思われる。「下肢の冷え」については、暖かい靴下やレッグウォーマーで三陰交付近を冷やさない様にしていただいた。また、冷たい飲食物の排除などのご協力もいただいたことが良かったと思われる。ご本人の意欲も強く、爪もみを熱心にされていたことも良かった。初診時の時より表情が格段に明るくなったことが印象的だった。鍼は水嶋先生のご指導で非常に弱い刺激(浅い鍼)になるように刺鍼した。このことも副交感神経を高めるには良かったと考える。

 

9 結語 「刺鍼は浅く、弱い刺激で、手数は少なく。」という治療が自律神経免疫療法には適していると考える。弱いやさしい治療で改善に向かっている症例であった。

 

参考文献 『鍼灸医術の門』柳谷素霊 原著・柳谷清逸 校捕  P.65P.130

 

 

 

 

 

<症例3>「パーキンソン病から回復しつつある症例」

 

1 症例 44歳 男性 元製造業

2 主訴 緊張時震顫・寡動・頚肩部硬直・下肢冷感・こめかみ付近の痙攣・便秘

3 現病歴 2000年 自覚症状発現・夏にF高原病院にてパーキンソン病と診断される。11T大学のS先生により同様に診断される。パーロデル2.5mgを朝昼夕各2錠ずつ。イーシードパール錠・シンメトレル錠50mg・レスリン錠25mg・デパス錠0.5mgを朝昼夕各1錠ずつ処方される。・2002年 Oクリニック受診。2004年水嶋クリニックで治療開始。

4 既往歴: 幼少の頃、頻繁に扁桃腺が腫れた。    

5 身体所見 緊張時震顫・仮面用様顔貌・寡動・猪突性歩行・頚肩部硬直・下肢冷感・こめかみ付近の痙攣・のどの乾き・便秘などがみられる。全身が冷えている。

6 検査所見 脈診では腎を中心に体調に応じて大腸・胃・小腸・肝・胆・膀胱などの脈が弱くなることが多い。

7 経過 水嶋クリニックへ月に1回。漢方薬処方と血液検査、鍼灸治療。六九堂はりきゅう指圧院へ月3回。鍼灸治療を受ける。Oクリニックでパーキンソン病の薬が投薬されている。当院にて平成16416日〜平成17年2月23日まで79回治療。水嶋クリニックのNPO法人東洋医学研究所での鍼灸治療は自律神経免疫療法として手足の井穴(第4指を除く)、後頚部の硬結部に単刺。中医学的治療法として頭皮鍼(舞踏震顫区・運動区)。常用穴(四神総・風池・風門・曲池・合谷・太衝・陽陵泉)配穴として(口の乾くものに復溜。腰背がこわばり痛い時に命門・腎兪[]。便秘で舌苔が黄色の者に足三里[]。上手く喋れない時に上廉泉[]。足がだるく歩き辛づらい時に大杼。常用穴は毎回4〜5穴用い、症状によって配穴を組み合わせる。)というものである。六九堂での鍼灸治療方法は、六部定位脈診で虚している脈を見つける。臓腑虚実補穴瀉穴表にしたがい、脈を整える鍼灸治療を行う。経渠と復溜へ補法(寸6・1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm・置鍼10分間。緘術後再度脈診を行い、整ったことを確認して治療を終わる。整っていない場合は更に接触鍼(てい鍼)で補う。その後手足の井穴に単刺を行う(薬指を除く。)(寸3・ 02番鍼・太さ0.12mm・深さ0.5mm。)。筋を緩める目的で硬結部に単刺(寸6・ 1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm)。灸頭鍼(寸6・ 3番鍼(太さ0.20mm・ 深さ1cm10分・切りもぐさ小] )三陰交・腎兪。その他の単刺(寸6・ 1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm)は合谷・曲池・百会・四神総。(注:脈を整えるために行う置鍼は、その時々の脈によって経穴の選択が異なる。)治療の効果としては、血液検査には極端に良い変化はないが、客観的に見れば体の動きや表情は良くなってきている。自覚的にも来院される前よりは少し楽になったと述べられている。現在治療は継続中。

 

血液検査の結果(後の2回分は 白血球分画)

 

2003

2003

2004

2004

2004

2004

2004

 

6月3日

10月1日

3月31日

5月27日

8月20日

9月16日

12月2日

白血球数

3500

9400

8300

9700

10000

9500

11200

リンパ球数

 

 

 

 

 

3040

3819.2

 

2003

2003

2004

2004

2004

2004

2004

 

6月3日

10月1日

3月31日

5月27日

8月20日

9月16日

12月2日

リンパ球%

 

 

 

 

 

32

34.1

単球数

 

 

 

 

 

247

436.8

単球 %

 

 

 

 

 

2.6

3.9

顆粒球数

 

 

 

 

 

6213

6944

顆粒球%

 

 

 

 

 

65.4

62

ドーパミン

 

 

 

 

 

1004

745

 

 

 

 

8 考察  ご本人の意欲が強く、爪もみも熱心にされていたこと、比較的頻度の高い治療も効果的であった。

 

9 結語  鍼灸師は、鍼や灸を使って副交感神経を高める治療が実施できれば、その方法は職域の範囲内であれば自由であると感じる事ができた。自律神経が整ってくると症状が改善することを、ゆっくりとした変化ではあるが感じる事ができた。

 

参考文献 『鍼灸医術の門』柳谷素霊 原著・柳谷清逸 校捕  P.65P.130

 

 

 

<症例4>「他の療法を選択されたパーキンソン病の症例」

 

1 症例: 60歳 女性 主婦

2 主訴: 緊張時震顫(左手)・気力減退・頚肩背部硬直

3 現病歴: 2003年にI病院でパーキンソン病と診断される。告知の際、「15年間は動けるがその後薬が効かなくなり結局治らないだろう。」と言われ、精神的にショックを受ける。メネシット錠100・ペルマックス250μg・デパス錠0.5mgを投与される。その後。K医院にて同じ投薬を受ける。水嶋クリニック初診前1週間、患者さんのご希望で薬を一切中止したところ症状が悪化した。水嶋先生から「パーキンソン病は西洋医学の薬を使いながら治す方が良い。急に薬を止めてはいけない。」とお話があり、I病院の薬を再開。併行して水嶋クリニックで治療開始。漢方薬が投与される。シャクヤク・コウボクを朝昼夕1.3333g。カンゾウ・ボウフウ・サイシン・センキュウ・ハッカ・ケイガイ・キョウカツ・ビャクシを朝昼夕0.6667gそれぞれ煎じ薬として処方される。

4 既往歴: 53歳の時、更年期障害発症。献血を106回して体力低下。    

5 身体所見 緊張時震顫(左手)・気力減退・頚肩背部硬直・精神的に不安感強い・頭痛を良く起す。

6 検査所見 脈診では胆・肝・膀胱・腎の脈が弱い。

7 経過 I病院・水嶋クリニック・六九堂はりきゅう指圧院を併用。水嶋クリニックへ月に1回。漢方薬処方と血液検査、鍼灸治療。I病院でパーキンソン病の薬を投薬。当院で月3回、鍼灸治療を受ける。全身が冷えている。水嶋クリニックのNPO法人東洋医学研究所での鍼灸治療は自律神経免疫療法として手足の井穴(第4指を除く)、後頚部の硬結部に単刺。中医学的治療法として頭皮鍼(舞踏震顫区・運動区)。常用穴(四神総・風池・風門・曲池・合谷・太衝・陽陵泉)配穴として(口の乾くものに復溜。腰背がこわばり痛い時に命門・腎兪[]。便秘で舌苔が黄色の者に足三里[]。上手く喋れない時に上廉泉[]。足がだるく歩き辛づらい時に大杼。常用穴は毎回4〜5穴用い、症状によって配穴を組み合わせる。)というものである。六九堂はりきゅう指圧院での鍼灸治療方法は、六部定位脈診で虚している脈を見つける。臓腑虚実補穴瀉穴表にしたがい、脈を整える鍼灸治療を行う。経渠と復溜へ補法(寸6・1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm・置鍼10分間。緘術後再度脈診を行い、整ったことを確認して治療を終わる。整っていない場合は更に接触鍼(てい鍼)で補う。その後手足の井穴に単刺を行う(薬指を除く。)(寸3・ 02番鍼・太さ0.12mm・深さ0.5mm。)。筋を緩める目的で硬結部に単刺(寸6・ 1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm)。灸頭鍼(寸6・ 3番鍼(太さ0.20mm・ 深さ1cm10分・切りもぐさ小] )三陰交・腎兪。その他の単刺(寸6・ 1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm)は合谷・曲池・百会・四神総。(注:脈を整えるために行う置鍼は、その時々の脈によって経穴の選択が異なる。)体の動きや表情は良くなってきていた。自覚的にも来院される前よりは楽になったと述べられている。平成15年3月2日〜平成16年3月22日まで24回治療するも現在治療は中止。ガンマナイフによる治療を受けるため、S病院へ転医。さらにA病院へ転医された。

 

 

 

血液検査の結果(白血球分画)

 

4月1日

5月26日

白血球数

5200

3600

リンパ球数

1404

1152

リンパ球%

27

32

単球数

364

288

単球 %

7

8

顆粒球数

3432

2160

顆粒球%

66

60

ドーパミン

15

447

                 

 


 


8 考察: 上記の血液検査ではわずかな間に白血球の総数が減り顆粒球の数も減りリンパ球の比率も増えているので、治療の進み具合は順調であったと考えられる。ご本人の不安が強く、常に治療に疑問と迷いを持っていらしたようである。この原因は一番始めの告知に傷つかれた心のケアができなかった事と、自律神経免疫療法をご理解いただけるよう詳細な説明が不足したことの両面があると考えている。かなり症状が改善され、さらにガンマナイフで一気に勝負をかけたいという患者さんの願いでもあったので、これで良かったのではないかと考えている。治療の効果は非常に出ていた症例と考えている。

 

9 結語 パーキンソン病の方は心理的に弱く鬱症状に陥りやすいので、心理的なケア

も重要と考えられる。鍼灸師であっても症状の状態を伝える場合は慎重にすべきであると考

える。「白血球が減り、顆粒球の比率が減り、リンパ球が増えると症状が改善する。」というのは既知の「安保・福田理論」であるが、そのことを実感できる症例だった。

 

参考文献 『鍼灸医術の門』柳谷素霊 原著・柳谷清逸 校捕  P.65P.130

 

 

<症例5>「ストレス過多によるパーキンソン病の症例」

 

1 症例: 47歳 女性 教師

2 主訴: 頚肩部硬直・発声困難・緊張時震顫

3 現病歴: 2002年に発症・I病院でパーキンソン病と診断される。同年、水嶋クリニックを受診。併行して、H鍼灸院、N整体治療院にも通院。I病院と水嶋クリニックを継続しながらN整体治療院からの紹介で六九堂はりきゅう指圧院へも通院開始。I病院ではカバサール・メネシット・セディール・フェルムを投薬される。       

4 既往歴: 冷え症    

5 身体所見 頚肩部硬直・発声困難・緊張時震顫・気力減退し・足底筋力不足。。

6 検査所見 脈診は胆・肝・膀胱・腎の脈が弱い。ド−パミンは増加している。

        

 

2003年4月25日

2003年5月23日

2004年11月1日

 ドーパミン

156

215

1185

 

7 経過 水嶋クリニックへ月に1回。漢方薬処方と血液検査。六九堂はりきゅう指圧院へ

月3回。鍼灸治療を受ける。I病院でパーキンソン病の薬が投薬されている。全身が冷えている。水嶋クリニックのNPO法人東洋医学研究所での鍼灸治療は自律神経免疫療法として手足の井穴(第4指を除く)、後頚部の硬結部に単刺。中医学的治療法として頭皮鍼(舞踏震顫区・運動区)。常用穴(四神総・風池・風門・曲池・合谷・太衝・陽陵泉)配穴として(口の乾くものに復溜。腰背がこわばり痛い時に命門・腎兪[]。便秘で舌苔が黄色の者に足三里[]。上手く喋れない時に上廉泉[]。足がだるく歩き辛づらい時に大杼。常用穴は毎回4〜5穴用い、症状によって配穴を組み合わせる。)というものである。六九堂はりきゅう指圧院での鍼灸治療方法は、六部定位脈診で虚している脈を見つける。臓腑虚実補穴瀉穴表にしたがい、脈を整える鍼灸治療を行う。経渠と復溜へ補法(寸6・1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm・置鍼10分間。緘術後再度脈診を行い、整ったことを確認して治療を終わる。整っていない場合は更に接触鍼(てい鍼)で補う。その後手足の井穴に単刺を行う(薬指を除く。)(寸3・ 02番鍼・太さ0.12mm・深さ0.5mm。)。筋を緩める目的で硬結部に単刺(寸6・ 1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm)。灸頭鍼(寸6・ 3番鍼(太さ0.20mm・ 深さ1cm10分・切りもぐさ小] )三陰交・腎兪。その他の単刺(寸6・ 1番鍼・太さ0.16mm・深さ1mm)は合谷・曲池・百会・四神総。(注:脈を整えるために行う置鍼は、その時々の脈によって経穴の選択が異なる。)治療を受けると一時的には症状が軽減するがすぐ戻ってしまう。治療は平成16年7月1日〜平成17年2月17日まで35回治療を実施した。 

 

    血液検査の結果(白血球分画)

 

2003年4月25日

2003年5月23日

2004年11月1日

白血球数

5400

5700

7000

リンパ球数

1620

2280

1470

リンパ球%

30

40

21.2

単球数

216

114

273

 

2003年4月25日

2003年5月23日

2004年11月1日

単球 %

4

2

3.9

顆粒球数

3564

3306

5243

顆粒球%

66

58

74.9

ドーパミン

156

215

1185

 

  

                           

                      

  

 

8 考察:治療を受けるとしばらくは楽。生徒さんの大きな行事などが近づくと症状が悪化する。精神的な緊張が交感神経優位な状態を作り出すようである。そして行事が終わると症状はとたんに軽くなる。交感神経と副交感神経の関係がはっきりしている症例だった。

 

9 結語 「過剰なストレスが交感神経を優位にしてしまい免疫を下げる。」という、既知の理論であるが、その「安保・福田理論」の基本を眼前にはっきり見たように思った。ストレスをコントロールし、副交感神経を立ち上げ、免疫が向上すれば、この患者さんはもっと改善するのではないかと予測する。今後もこの理論に則った治療を実践して参りたい。

 

参考文献 『鍼灸医術の門』柳谷素霊 原著・柳谷清逸 校捕  P.65P.130



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